お知らせ

高脂血症外来からのお知らせ(難治性高コレステロール血症の専門外来設立について)

 数年前に起こった世界のトップスイマーの突然死は全世界に衝撃を与えました。当時の日本代表の北島康介選手のライバルでした。原因は“家族性高コレステロール血症”と報道されています。血中コレステロールを下げる薬剤(スタチンと呼ばれています)が特効薬ですが、本薬剤は副作用とも呼ばれない程度のかすかな筋力低下があり、0.0数秒の記録を争うプロスポーツ選手は服用することができません。このことがこの有名な選手の死亡につながったものと考えられています。もともと家族性高コレステロール血症は“サイレントキラー”の代表とされており、50年以上前のテレビ映画,逃亡者、の主役だったデビッドジャンセン、映画、ベンハー、の敵役、メリッサ、を演じたシティーブンボイド、ウインブルドン優勝のテニス選手のアーサーアッシュ、本邦では、初代、引田天功、など多くの有名人が本疾患でなくなられています。上記のスタチン製剤が自由に処方できる現在では、大多数の人たちはこのお薬で救命できていますが、このスタチン製剤の効果が不十分な、難治性高コレステロール血症、の患者さんがたくさん取り残されているのが現状です。

 最近、これまでのスタチンの内服治療に加えて、上乗せ効果が期待できる注射薬(PCSK9抗体製剤と呼ばれています)が登場したことにより、悪玉コレステロールの代表であるLDLコレステロール値への注目が、一段と高まってきました。本邦におけるLDLコレステロールの冠動脈疾患二次予防の目標値は100㎎/dL未満とされていますが、家族性高コレステロール血症による冠動脈疾患発症リスクのある患者さんや、糖尿病・高血圧等リスク重積の患者さん、さらには冠動脈疾患再発を繰り返す患者さんにおいて、コレステロール管理が難しいケースがあります。しかし、こういった患者のみなさんにこそ、LDLコレステロール値のより厳格なコントロール(70㎎/dL未満)を行うことで、冠動脈疾患発症予防そして突然死の阻止につながると考えられています。

 新須磨病院高脂血症外来は1992年末、スタチンの登場のころに開設されました。以後、新規コレステロール吸着剤、ストロングスタチン、コレステロール吸収阻害剤、などの出現にあわせて、高コレステロール血症治療をステップアップしてきました。今回,血中LDLコレステロールを劇的に低下させることの出来る注射薬(PCSK9抗体製剤)が処方できるようになり、上記の難治性高コレステロール血症患者さんの血中LDLコレステロールをきちんと管理できるようになりました。本製剤の出現により、ハードなアスリートでスタチンが飲めない高コレステロール血症患者さんの管理も可能になりました。

 この新しい高コレステロール血症治療薬は注射製剤で2週間に1回程度の注射が必要です。またインスリンと同様に自己注射が可能となり、専門スタッフによる、注射手技の説明指導、などが必要です。このたび、新須磨病院高脂血症外来は、PCSK9抗体製剤の出現を機会に、“難治性高コレステロール血症専門外来”を併設することになりました。これでご自分の高コレステロールの血症に不安を感じていた患者さんの悩みがほとんど解消されることになります。尚、専門外来の診察日は決定次第おしらせいたします。

新須磨病院高脂血症外来 

芳野原

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