Q&A(FUS関連)
FUSのQ&A
回答
- Q1. この治療法(FUS)の特徴はなんですか。
- A. おなかを切ったりすることなく、子宮筋腫・子宮腺筋症の治療をするものです。MRIと超音波を組み合わせたExAblateTM2000という装置を使用します。体の外から超音波を当て治療するという点で、外科的手術と大きく異なります。
- Q2. 超音波とは何ですか。また、なぜ治療に応用できるのですか。
- A. 超音波とは人の耳で聞くことのできない高い音波(20kHz以上の弾性振動波)のことです。FUSでは、200個以上の発生源から出る超音波を1点に集中させ、その振動エネルギーを熱エネルギーに変換させることで、子宮筋腫・子宮腺筋症を焼灼します。虫眼鏡で光を集めるのと同じように、超音波の集中したところだけ温度が上がることになりますので、筋腫・腺筋症を狙い撃ちにした治療が可能です。
- Q3. MRIは何のために使いますか。
- A. FUSではMRI画像上で子宮筋腫・子宮腺筋症を確認しながら、超音波を当てます。また、MRIにより治療部位の温度をリアルタイムでモニタリングできます。治療部位はFUS終了後には造影されなくなりますので、造影剤を用いて治療部位を確認できます。
- Q4. この治療法にはどのくらいの実績がありますか。
- A. 2000年から欧米を中心に行われてきた治療です。今までに世界で4500例以上の実績があります。
- Q5. 子宮筋腫と診断されていますが、気になるような症状はありません。治療の対象になりますか。
- A. 一般に子宮筋腫は良性の腫瘍ですから、無症状のものについては積極的な治療は適応になりません。(悪性の可能性のある場合は除きます) また、FUSの目的は筋腫をなくすことではなく、筋腫によるさまざまな症状(過多月経、月経時の痛み等)を緩和させることにあります。筋腫が小さい間に焼灼することでその後の筋腫の増大を予防出来るかどうかはこれからの検討になります。
- Q6. この治療の対象になるのはどんな場合ですか。
- A. 手術の必要性があると考えられているが、手術治療を希望しない方が適応になります。MRIで確認しながら治療を行いますので、MRIを受けることのできない方、造影剤にアレルギーのある方などは対象になりません。
- Q7. 治療後の子宮筋腫はどうなっていくのですか。
- A. 組織学的検討では、高温で焼灼することで、焼灼部分の出血性壊死が起こります。壊死した組織が体内に残ることになりますが、感染等を合併しない限り特に問題になることはありません。その後、筋腫核は徐々に縮小していきますが、筋腫がなくなるものではありません。
- Q8. 筋腫の体積はどの程度小さくなりますか。
- A. 当院の検討では筋腫は治療後6ヶ月目で体積比約40%縮小し、24ヶ月目でも同程度の縮小率が維持されています。ただし、平均値ですので、もっと小さくなる筋腫もあれば、残念ながら再増大するものもあります。
- Q9. 子宮の正常な部分、卵巣などに影響はありますか。
- A. FUSでは200個以上の発生源から出る超音波を集束させることで集束部分の温度を上げ、治療に用います。超音波通過部分でも多少の温度上昇がありますが,不可逆的な組織損傷を起こすものではありません。したがって正常子宮組織、卵巣等には特に影響を及ぼさないと考えています。
- Q10. どんな筋腫でも治療できますか。
- A. 筋腫核が4個以上あるもの、直径10cm以上の筋腫については治療にかかる時間が長くなりすぎるため、原則的にFUSを行いません。背中に近い筋腫もFUSの治療には適しません。なお、T2強調MR画像で高信号(子宮筋層に比べて白い)の筋腫は、これまでの検討から治療効果が不良であるため、現時点ではわれわれは適応外としています。
- Q11. 子宮内膜症のための月経痛があります。FUSで治療できますか。
- A. 子宮腺筋症については、40例の臨床試験を終了しました。安全性については子宮筋腫に対する治療とほぼ同程度で、自覚症状につきましては、今日までのところ治療後1ヶ月目くらいから改善傾向がみられ、3ヶ月にはさらによくなっておられますが、1年を経るころから再発の兆候が現れる方がみられます。ある程度の改善が見られました。まだ不明の点がありますが、希望に応じて子宮腺筋症に対する治療も行います。
- Q12. 将来の妊娠、出産を希望しています。治療は受けられますか。
- A. FUSの適応外であり、妊娠希望者には治療を行っていません。
- Q13. この治療で症状がなくなりますか。
- A. 今のところFUS後に症状が改善するのは約70-80パーセントと言われています。治療で自覚症状の改善が認められないものには、改めて手術を含めた他の治療法が必要になることがあります。
- Q14. この治療で必ず子宮が残せますか。
- A. FUS後の合併症のために緊急的に子宮摘出を余儀なくされたという症例は現在まで報告がありません。(2009.4月現在)今後もデータを蓄積していきたいと思います。ただし、治療効果が不十分のために、他の一般的な筋腫治療を要することはあります。
- Q15. 治療後に子宮筋腫が再発することはありますか。
- A. FUSでは筋腫の中心部を治療するため、焼灼できる範囲は限られています。このため、焼灼出来なかった周辺部から、同じ筋腫が再増大することがあります。また、FUSは子宮を摘出する根治術ではありませんので、治療後に新たに子宮筋腫が出来てくることがあります。子宮腺筋症についても同じような結果がみられています。
- Q16. この治療の危険性を教えてください。
- A. 治療中および治療後の早い時期には腹痛、嘔気、発熱、皮膚の発赤、火傷、背部痛、下肢の痛み(坐骨神経に沿う)、尿路感染、使用薬剤に対するアレルギーなどがあります。重篤な合併症として、潰瘍を伴う腹部熱傷、長期間続く背部痛・下肢痛の報告があります。
- Q17. 過去に手術を受けたことがありますが、注意点はありますか。
- A. FUSは腹壁を通して治療を行うものなので、下腹部に傷のある場合には治療できません。側腹部の傷(虫垂炎手術痕など)では治療が可能です。
- Q18. 子宮筋腫のために薬物治療中ですが、FUSを受けられますか。
- A. 大きな子宮筋腫に対して子宮筋腫核を縮小するためにGnRHa(リュープリン等)による薬物療法を先行して行い、その後にFUSを行うことがあります。子宮筋腫・子宮腺筋症に対するその他の治療薬もFUSの制限にはならないと考えています。
- Q19. 非常に強い貧血がありますが、FUSを受けることができますか。
- A. 貧血であってもFUSを行うことができます。ただし、重症な貧血についてはFUSの前に貧血治療を行ってからのFUS治療になります。
- Q20. 他の疾患を合併していてもFUSを受けることができますか。
- A. 子宮や卵巣、卵管に炎症のある場合は、炎症の治療終了後にFUSを行うことになります。子宮癌、卵巣癌など悪性疾患のある場合には適応となりません。その他、MRIを受けることのできない方(ペースメーカー使用者、脳動脈クリップによる手術の既往など体内金属のある方、閉所恐怖症の方など)や気管支喘息のある方(造影剤検査が受けられないため)はFUSを行うことができません。その他の疾患や常用薬物でのFUSの適応については婦人科医にお尋ねください。
- Q21. 治療はどこでだれが行いますか。
- A. FUSはMRIと超音波治療装置を組み合わせたものなので、治療はMRI室で行います。当院では患者さまのMRI画像を事前に放射線科医師と婦人科医師で十分に検討をした上、婦人科医主導で治療を行います。
- Q22. 治療は苦痛を伴うものですか。
- A. 治療中は尿道に管を入れ、腹臥位でじっとしていることが必要です。また、治療中や治療後に軽度~中等度の痛み、嘔気、気分不快などの症状があらわれることがあります。しかし、手術治療、子宮動脈塞栓術と比較すると、最も低侵襲の治療法といえます
- Q23. 麻酔をしますか。
- A. FUSは手術治療や子宮動脈塞栓術に比較して、低侵襲で痛みも軽微であるため、特別な麻酔は必要としませんが、少量の抗不安薬や鎮痛剤を用いることがあります。
- Q24. 治療にはどのくらいの時間がかかりますか。
- A. 筋腫・腺筋症の大きさなどによって異なりますが、3~5時間が目安になります。
- Q25. 入院が必要ですか。
- A. 基本的には1日入院(日帰り)で行います。
- Q26. 治療にかかる費用はどのくらいですか。
- A. FUS1回の治療を50万円、2度目以降は25万円(いずれも消費税は別途)としています。
- Q27. 治療の前にはどのような処置が必要ですか。
- A. 腹部の剃毛と約4時間の絶食が必要です。治療中には尿道カテーテルを留置し、点滴も行います。
- Q28. 治療後はどのくらいで日常生活に復帰できますか。
- A. 個人差がありますが、概ね2-3日のうちに元の生活に戻れると考えています。
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