◆子宮腺筋症に対するFUS治療のご案内
当院では安全性が高く、痛みの少ない治療を提供していきたいと考え、2004年6月より子宮筋腫に対する集束超音波治療(FUS)を導入し、治療を行ってまいりました。
開腹手術をすることなく筋腫に限局した治療が可能で、現在では肝臓や乳腺といった他臓器にも適応が拡大しつつあります。

当院では40例の子宮腺筋症に対する臨床試験を終了し、子宮腺筋症に対してもFUS治療を行っていくことになりましたので、お知らせいたします。

◆子宮腺筋症とは
正常子宮MRI画像子宮筋腫子宮腺筋症


子宮に発生する良性の疾患で、過多月経や、月経痛など、その症状は子宮筋腫によく似ています。
その正体は子宮筋層にできた子宮内膜症で、以前は内性子宮内膜症とも呼ばれていました。
子宮筋腫と違って、病巣の輪郭がはっきりしないことも特徴です。
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◆子宮筋腫と子宮腺筋症の比較
子宮筋腫子宮腺筋症
(有病率) 20〜25%10〜18%
過多月経過多月経
月経困難症月経困難症
不妊症不妊症
骨盤内臓器の圧迫骨盤内臓器の圧迫
赤文字は症状などが強いことを指します。
自覚症状は子宮腺筋症のほうが筋腫よりも強いことも特徴です。
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◆薬物治療
 薬剤効果副作用
対症療法鎮痛剤症状の軽減を図れる。胃の痛みなど。
アスピリン喘息の方には使用できない。
漢方薬症状の軽減を図れる。人によって効果の現れ方に差がある。
ホルモン治療GnRHa脳下垂体に作用し、一時的な無月経状態を作る。更年期障害の症状が現れやすい。
骨塩量の低下がおこる。
長期連続投与はできない。
ダナゾール男性ホルモン誘導体であり、脳下垂体に作用して、一時的な無月経状態を作る。
子宮内膜症に対する直接効果もある。
体重増加、にきびなど、男性ホルモン作用が現れやすい。
血栓症の既往のある人には使用できない。
長期連続投与はできない。
ピル排卵を抑制して、妊娠に類似したホルモン環境をつくる。健康保険の適応がない。
血栓症の既往のある人には使用できない。
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◆手術的治療
 長所短所
腹式子宮全摘出術根治的手術である。
子宮、卵巣等の周囲にある程度の癒着があっても手術可能である。
妊娠の可能性がなくなる。
おなかに傷が残る。
膣式子宮全摘出術根治的手術である。
おなかに傷が残らない。
妊娠の可能性がなくなる。
適応症例が限られる。
高周波切除期を用いた
子宮腺筋症核出術
子宮を残すので将来の妊娠が可能である。
2004.10月に特定療養費制度の一環として承認された。
手術手技として、難易度が高く、特別な装置を要する。
指定病院のみ可能。
子宮動脈塞栓術(UAE)手術治療に比較して入院期間が短く、低侵襲である。有効性は確立していない。
再発の危険性がある。
放射線の透視下に行うので、少量だが被曝する。
稀に術後の感染、出血、卵巣機能不全がおこる危険性がある。
健康保険の適応がない。
集束超音波治療(FUS)日帰りでの治療が可能である。
ほとんど無侵襲である。(傷が残らない)
自覚症状の改善がみられる。
症状の改善率、病変部の縮小、再発といった事に関するデータが少ない。
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◆治療法の問題点
子宮腺筋症は子宮筋腫と同様に女性ホルモンに関連した疾患で、治療法も同じようなものが多いのですが、
1)メスによる核出が困難
2)薬物療法では根治性がない
3)子宮全摘出が標準術式
といったことから、特に子宮を残したいと希望される方は治療の選択に戸惑っている方が多いと思われます。
子宮腺筋症に対しても集束超音波(FUS)による低侵襲治療が効果的であることが解り、治療を開始することに致しました。
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◆集束超音波装置と治療模型

今のところ子宮腺筋症の治療経験とも、重篤な副作用、後遺症の経験はありません。
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◆FUSの適応
   FUSができる条件
子宮腺筋症の症状があり、MRI検査で子宮腺筋症の確定診断ができている18歳以上の方。
子宮腺筋症の位置などから、FUSで治療できると思われる方。(当院医師により判断させていただきます)
   FUSができない条件
ペースメーカー、喘息など、MRIや造影剤が受けられない方。
重症な合併症のある方。
卵巣腫瘍など骨盤内腫瘤を有する方。
体重が113kgを超えている方。
授乳中の方。
閉経後の方。
妊娠中或いは妊娠を希望される方。
治療中の長時間安静腹臥位(約4時間)に耐えられない方。
下腹部に正中の手術痕のある方。(側腹部は可)
その他治療困難と判断された場合等
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◆子宮腺筋症のFUS治療に関するデータ
主な副作用は治療中の痛み、足のしびれ、皮膚の火傷、帯下の増加、血性帯下などです。
子宮体積は6ヶ月から12ヶ月で平均約10%縮小
自覚症状スコアは治療前約50点から治療後1〜12ヶ月は約30点に低下
 (100点が最も高く、0点が無症状としたスコア)
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◆お問い合わせは
FUS治験コーディネーターまたは婦人科外来までお願いします。
電話番号:078−735−0001(代表)
FAX:078−735−00089
E-mail:sinsuma@deluxe.ocn.ne.jp
直接、婦人科外来を受診していただくことも可能です。
(他院で診断を受けている場合には、紹介状を用意していただくようにお願いいたします。)
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