医療法人社団 慈恵会 新須磨病院

新須磨NEWS

2021年創刊号

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新須磨病院61年の歩み

『シームレスな地域連携医療を目指して』

震災を機に経営・医療を改善

 慈恵会グループの中核を担う新須磨病院は、1960年に開設いたしました。当時は地域に根差した「まちの病院」でしたが、私の父である先代の意向もあり、先進的な医療に着手。当時ではおそらく神戸初となるMRIの導入や、西日本で初めてとなるガンマナイフ治療など、小回りが利く民間病院ならではの利点を活かし、様々な最新医療を導入しました。「高度な医療提供」と「地域密着」の両面を満たす病院として、南須磨地区を中心に親しんでいただいています。
 そんな当院の大きな転機となったのが、1995年の阪神・淡路大震災。震災によって、病院も組織もひどく痛んでしまいました。その時、安定した病院運営をしていくためには、「家業ではなく企業を目指さなければいけない」と決意。震災直後に新須磨病院の院長に就くと、最新医療だけでなく、医師・医療スタッフをはじめとした職員の充実にも力を注ぎました。2003年には、日本初となる創傷治療法を確立。アメリカでの成功例に倣ったこの治療を実現するためには、外科の知識やノウハウだけでは不可能でした。そこで、各専門家が知恵と技術を結集。一般・血管・形成外科、糖尿病科、検査技師、さらには靴屋さんに至るまで協働し、創傷治療を実現したのです。最新設備だけに頼らない医療の本質──。
 それはまさしく、医療の理想形とも言える「真のチーム医療」でした。そして2003年、全国に先駆けて創傷治療センターを設立しました。

少子高齢化時代に果たすべき役割

 阪神・淡路大震災の経験から、リスクマネジメントも大切にしていることの一つです。危機管理の第一人者である故・佐々淳行さんから学ばせていただいたこともあり、震災以降の災害等を何とか乗り切ることができました。しかし、新型コロナウイルスの蔓延だけは勝手が違いました。どんなウイルスか分からない恐怖、終わりが見えない恐怖も感じました。見えない敵との闘いは、精神的に辛いものがあります。感染症対策によって様々な制約を設けなければなりませんが、今はやむを得ない時期。やれることを徹底的にやるしかないですね。もっとも、現在の状況はかなり改善されてきたと思います。そして何より、今も大変な思いをしている職員たちが感染症に立ち向かうべく、結束を強めてくれていることを嬉しく、頼もしく感じています。

 先を見据えると、日本の社会構造は少子高齢化の時代に突入します。通院される患者様は高齢の方も多く、診療後に一人で帰宅できない、帰宅後も不自由な生活を余儀なくされるというケースが急増していくのではないかと危惧しています。医療と介護がシームレスに機能するサービスは、少子高齢化時代には不可欠です。その意味でも、我々が果たすべき役割は大きい。当院の母体である慈恵会は医療・介護・教育を三本の柱とした、総合ヘルスケアネットワークを構築する事業体。つまり、シームレスな医療・介護のサービスが提供できるのです。医療・介護・教育がお互いに連携を強め、それぞれの質を高めていく。今後ますます必要とされる総合ヘルスケアネットワークを駆使し、より一層、地域に貢献していきたいと考えています。

新須磨病院のご紹介

最新機器と思いやりの医療で信頼される病院を目指します

当院では、積極的に最先端の医療機器を数多く導入しています。医療機器の進歩は、検査や治療を速く、正確にし、確実に患者様の苦痛を軽減しています。

〒654-0048 神戸市須磨区衣掛町3丁目1番14号
TEL:078-735-0001(大代表) FAX:078-735-5685
診療受付時間/月曜日~土曜日 8:15~11:00

診療科目

内科・外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・泌尿器科・皮膚科・婦人科・耳鼻咽喉科・眼科・神経内科・心療内科・歯科・歯科口腔外科・循環器内科・心臓血管外科・リハビリテーション科・放射線科・麻酔科

新須磨病院 61年の歩み

令和3年度 新須磨病院 常勤医師ご紹介

慈恵会グループのご紹介

部署紹介

看護部及び地域医療相談センター

「新須磨病院に来てよかった」と思っていただける看護を
~ 回復を支え、確かであたたかな看護で一緒に歩き続けます ~

病気や怪我は患者様・ご家族に不安を与え、日常生活を一変させます。私たちはお身体の苦痛だけでなく、お気持ちや暮らしの不安ととも真摯に丁寧に向き合い、お一人おひとりにあった看護を心がけています。「新須磨を選んでよかった」「また看てもらいたい」「ええ出会いやった」と思っていただけるケアを目指し、さまざまなスタッフと心をあわせ努めます。病気があってもお元気で幸せと感じられる明日を一緒に見つけられたら…私たちも幸せです。


地域医療相談センター

患者様やご家族のさまざまな困りごとを解決に導く、地域と病院の懸け橋

思いがけないケガや病気により、これからの生活や、経済的なことなどさまざまな不安が生じます。当センターでは、お話を伺い、相談の内容によって、精度の説明や施設のご紹介など、適切な提案を行い、解決に向けて一緒に考えてまいります。また地域の関係機関と連携を取り、当院から退院される患者様に、安心してこの地域で生活して頂けるよう退院支援を行っております。一人で悩まずお気軽にご相談ください。


診療科紹介

治療技術だけでなく、
患者様にとって常にベストな選択を

脳神経外科 近藤 威

脳外科の疾患では脳卒中や脳腫瘍が多く、外科的手術や血管内治療、早期リハビリを積極的に行っています。おかげさまで治療技術に関して評価をいただいておりますが、最も大切なことは『治療方法選択の厳正さ』です。患者様にとって最適な治療方法を厳正に判断し、治療を行っています。

幅広い外科疾患に対応し、
併せて専門性向上もめざしています

外科 辻 義彦

外科、消化器外科、心臓血管外科等の専門医・指導医が在籍しており、近隣の皆様に全国レベルの外科医療を安心して受けていただける診療体制を整えています。とりわけ重症虚血肢をはじめとする末梢血管外科疾患に対しては、関西有数の専門医療が提供できると自負しています。また専門分野のみならず、一般外科疾患や外科救急疾患に対してもできる限り対応するように努力しています。

骨、関節、筋肉、神経など
あらゆる疾患に対応いたします

整形外科 柴原 克紀

整形外科が扱う分野は非常に広く、全身の骨、関節、筋肉、神経などにかかわる疾患などが対象になります。膝痛、腰痛などの一般整形外科だけではなく、手の外科やスポーツでの靱帯損傷などの非常に専門性の高いものに対しても対応できる体制をとっています。お困りのことがあれば何なりとご相談ください。

ベテラン専門医と連携力で
患者様に安心を与える

内科 椎名 佳子

内科では一般内科や生活習慣病、リウマチ科、膠原病科、消化器内科、肝臓疾患などの治療や、腎臓病に関しても透析導入などを行っております。当院ではそれぞれに専門医がいるだけでなく、内科内や他科、グループとの連携も盤石ですので、患者様に幅広く安心して診療を受けていただけます。

よくある質問

Q. 緩和ケアについて
A. その人らしい『生』を全うできるよう援助します

生命を脅かす疾患に侵されている患者様やご家族は、痛みをはじめとする種々の身体的苦痛や心理的問題、社会的問題などに直面されています。苦痛をできるだけ取り除いて、その人らしい『生』を全うできるよう、またご家族の不安やつらい気持ちを少しでも軽減できるよう、緩和ケアチームを中心に院内全体で支援に取り組んでいます。

Q. 高齢者の継続ケアについて
A. 地域密着の治療で、患者様やご家族の負担を軽減します

高齢者の方々は年齢を重ねるにつれ、複数の疾患や障害を抱える可能性があります。症状によっては複数の病院やリハビリ施設などでケアを受ける必要があり、そうなると複数の施設への行き来が必要になります。また、体の状態によっては今までのライフスタイルを変更せざるを得ない場合も。当院では患者様やご家族の思いを第一に考え、連携を取りながら治療することが継続ケアに繋がると考えています。そのため患者様の負担を少しでも減らすため、皆様のライフスタイルを尊重した治療を行っております。また当院はグループであるリハビリ施設や介護施設などが付近にあるため、症状の進行に合わせて迅速な連携が可能であり、移動の負担を減らすこともできます。

Q. 脳神経外科医が行う脊椎治療とは
A. 患者様の思いを汲み、ライフスタイルを守るための治療

脊椎疾患の主な症状には、骨や椎間板そのものの痛みと神経の圧迫による痛みやしびれ、麻痺などの神経症状などさまざまなものがあります。脳神経外科が行う脊椎治療はというと、脊髄そのものに触れる治療を行います。当院の脳神経外科では、基本的に神経症状があり、お困りの患者様にだけ手術を提案します。例えば神経への圧迫が原因であれば、圧迫を取り除くための手術を行います。ちなみに当院で多いのが「ゴルフがしたいので何とかしてほしい」という患者様。極力ピンポイントで患部だけを狙い、大きな治療にならないように注意して手術を行います。やはり患者様が最終的に何をしたいか、ライフスタイルを守るための治療が大事になりますね。

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