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智歯(親知らず)抜歯について

歯科口腔外科

小林 正樹

2024/04/10
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下顎智歯の場合

 下顎智歯は横向きに生えていたり、下顎骨(下あごの骨)の中に埋まりこんでいたりするケースが多く、特別な技術を必要とする場合があります。大抵の場合、抜歯する際には歯肉を切開し、下顎骨や下顎智歯自体を削ることになります。そのために抜歯後に強く痛んだり、大きく腫れたり、口が開きづらくなる、物を飲み込んだときの喉の痛み、内出血斑等の症状がでることがあります。あまりひどい症状の場合には、抗生物質の点滴などをしていただくことがありますのでご了承ください。
 ごくまれに歯根(歯の根っこ)が湾曲していたり、智歯が下顎骨と癒着している場合があります。その場合抜歯が非常に困難で、歯根の先の一部を骨の中に残す場合があります。残ったものが原因で炎症が生じることがあれば、後日改めて除去します。また、下顎智歯は骨の中や周囲を通る血管や神経(下歯槽動脈、下歯槽神経・舌神経)と近接しているために、抜歯中あるいは抜歯後に出血したり、下唇・舌に知覚異 常を引き起こす場合がまれにあります。
 ガーゼを強く噛んでもなかなか血が止まらなかったり、下唇・舌のしびれ感が麻酔から覚めても継続していたり、抜歯後に何らかの体の異常を認めた場合等にはすぐにご連絡ください。

上顎智歯の場合

 上顎智歯は上顎骨(上あごの骨)の中に埋まりこんでいる等の場合、抜歯の際には上顎骨を削る等の特別な技術を必要とする場合があります。従って抜歯後に強く痛んだり、大きく腫れたり、口が開きづらくなる、物を飲み込んだときの喉の痛み、内出血斑等の症状が出ることがあります。あまりひどい症状の場合には、抗生物質の点滴等をしていただくことがありますのでご了承ください。また、上顎智歯は上顎洞(副鼻腔)と近接しているために、抜歯後に上顎洞に穴があき口腔内と上顎洞が交通する場合がまれにあります。穴が小さい場合は自然に閉鎖しますが、穴が大きく閉鎖が困難な場合は、二次的に閉鎖する手術を必要とすることがあります。抜歯後に口腔内の水や空気が鼻から漏れる等の症状が出現した場合にはすぐにご連絡ください。その場合医師からの指示があるまで、鼻かみは避けてください。  
 ごくまれに上顎洞内に歯根(歯の根っこ)が突出している場合もあり、抜歯時に上顎洞内へ歯根や歯牙の破片が上顎洞内へ迷入することがあります。その場合、後日改めて迷入した異物(歯根や破片)を除去することがあります。

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