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院長コラム「良樹細根」Ryōjusaikon

コロナ禍で思うこと色々

東京オリンピック・パラリンピックが無事終了した。コロナ禍で特に地の利が働いたためか、日本は史上最多のメダルを獲得した。パラリンピックが始まると、障害者があれほど強く逞しくなれるのかと、テレビに見入ってしまった。車いすラグビーは男女混合。障害の程度に応じてハンディーがあるものの、細身の女性が巨漢の操る車いすをものともせずブロックするのには驚いた。

開催前には、反対意見が多くどうなるのかと思ったが、終わってしまえば本当によく開催したものだと、組織力と大会運営にかかわった人たちの能力に感心した。日本はコロナ感染のような緊急事態への対応は苦手だが、リードタイムがあれば見事にやり遂げるといわれていた。オリ・パラ運営をみてそのことが実証されたように思う。やったらできるやん!というのが正直な気持ち。ある意味ほっとした。

あれほど反対していた一部マスコミも、始まれば連日連夜選手の活躍を報じ、おまけに打ち上げ宴会をして醜態をさらす始末。パラリンピックの開催に至っては、開催反対論者は一気にトーンダウン。それはそれで結構なことであるが、マスコミとコメンテーターの節操のなさに辟易した。今から思えば、反オリンピックよりは、オリンピック誘致を決めた安倍前総理に対する反アベ運動の一環であったのではと思ってしまう。その証左に、政権返り咲きを妄想している野党が「アベノミクスを検証する」を政権目標のひとつに掲げていることからもうかがえる。

間もなく自民党の総裁選が始まる。煮え切らない強面の候補者には支援者が集まらなかった。他の候補者にしても口に出すのは、夫婦別姓がどうのこうの、LGBTへの配慮はどうするなどばかり。それらは二の次三の次と思うがいかがか。しっかり、一生懸命、着実にといった枕詞も耳に障る。
国にとって大事なのは、防衛・防犯・防疫・防災そして経済発展。「青年よ!大志を抱け」とクラーク博士は青年を鼓舞したが、大志を持つ政治家がどれだけいるのか甚だ疑問に思う。

近隣には、覇権拡大に猛進する国、ミサイルというチャカを振り回す国、過去の妄想にとらわれている国がある。政治家の仕事は国益を守ること。撃つのは「遺憾砲」ばかり。いくら撃っても相手は平気の平左。痛くもかゆくもなく、舐められるばかり。右手にこん棒をもって、ささやくことができるほどの気概を持った政治家の出現を期待するしかない。

前回の東京オリンピックは、昭和39年(1964年)に開催された。私は小学校6年生。日本は戦後復興の真っただ中。敗戦からわずか20年弱で、オリンピックを開催し新幹線まで走らせるほどに急成長した。奇跡の復興といわれ、アメリカはこれで民主化は容易と勘違いして、ベトナムやアフガニスタンで大きな痛手を被った。
先のオリンピックで思い出すのは、東洋の魔女と鬼の大松、マラソンの円谷幸吉、裸足のアベベ、女子体操の妖精チャスラフスカ、跳馬の山下跳び、柔道のヘーシング。聖火の最終ランナー坂井さんが聖火台を駆け上り聖火に点火、そのあとブルーインパルスのF86が見事な五輪を描いた。
当時テレビは普及しておらず町内にテレビがあるのは2、3軒。幸い我が家にはあったので、近所の子供たちが集まってきて、チャンネルをガチャガチャしながら、白黒テレビを食い入るようにみていた。

あれから半世紀(正確には57年)が経った。何もかもが大きく変わった。当時百歳以上の高齢者は153人。それが先日の発表では8万6千人を超えた。人口は9千万人が1億2千万人となり、平均寿命は15年伸びた。高齢化率は、5%が25%となり、間もなく3人に1人が高齢者となる。当時の年間医療費は約5千億円、今は43兆円で80倍となった。

当時は老人が少なく若者が多く、 戦後復興にまい進していた時期で、年間成長率は約10%であった。それが、今は世界有数の高齢化社会、労働生産性は低下し、成長率も1・2%で何とかプラスを維持できている程度。1991年のバブル崩壊も今は昔。崩壊で多くの大企業が破綻したが、そのバブルさえ知らない世代が増えた。

そしてこのコロナ禍。そろそろ2年になろうとする。ようやく、5波が収まる兆しがあるものの油断はできない。ソーシャルディスタンス、マスク、手洗い、密を避ける、宴会は禁止、リモートワークにリモート授業。去年生まれた子どもたちは、親以外の素顔は知らない。教員やクラスメートの顔を見たことのない学生もいる始末。日本のワクチン接種もようやく5割を超えた。
コロナ感染は誰が悪いわけでもない。すべてコロナが悪い。それでも誰かのせいにしたがるのは人間の性。一番手っ取り早いのは為政者。そのあおりを受けて、安倍総理は辞任、菅総理も辞任を表明した。あえて政治の責任とするならば、ワクチン開発を含めワクチン行政のお粗末さ。これも、麻疹、子宮頸がんワクチンを批判する「世論」に迎合した結果であり、決められない政治の典型例といえる。ワクチン供給も開発もすべて、他力本願。裏でかなりの駆け引きをやっているのは想像に難くないが、いまこそタフネゴシエーターの出番であるがいずこに?

以上、雑感を書かせていただいた。コロナは真実を暴くウイルスである、という言葉どおり、色々なことが白日に晒された。ただ、これは誰もがイーブン。時代の流れ、天変地異、自然災害、努力ではいかんともし難いことばかり。嘆いていても仕方ない。まだまだ手はある。知恵も能力も技もある。そして勇気もある。知恵と力を振り絞り、今の時代の「難事」に立ち向かわねばと思っている。
みんなで力を合わせて、この難事を乗り越えましょう。

実践超健康法 空腹感は幸福感

来年古希を迎えます。60歳を過ぎたときは、老化とは無縁と思っていましたが、65歳を越えると体のあちこちにガタが出てきました。そこで一念発起して、元来の健康志向に輪をかけて「健康オタク」を目指すことにしました。その取り組みのいくつかをご紹介します。

① アイマッサージャー
65歳を過ぎて目の調節機能が落ちてきました。焦点が合いにくくなり、パソコンをずっと眺めていると目がカスムようになりました。
ブルーベリーなどいろいろなサプリを試しましたが、たどり着いたのがアイマッサージャーです。電動で、目の周りのツボを刺激しながら目を温めるという優れもの。アマゾンで購入。五千円円くらいです。1日1回約10分で何となく目がすっきりし、目のカスミが軽減します。

② ウオーターピック
歯周ポケットめがけて水をジェット噴射する器械です。歯垢落としには最適。これも非ブランド品をアマゾンで購入です。遅きに失した感があるものの「自歯」を少しでも残そうと励んでいます。
歯周病は歯周ポケットの歯垢にひそむジンジバリス菌が引き起こす感染症で、歯のみならず心疾患や腎臓病そしてアルツハイマー型認知症との関連も指摘されています。
寝る前にこの器械の最強出力で歯周ポケットを洗浄し、その後ConCoolで消毒します。最近は歯ぐきからの出血がなくなり、口の中が引き締まった感じがします。
ハンディータイプと据え置き型がありますが、圧倒的に据え置き型が使いやすいと思います。

③ あいうべ体操
喉周囲の筋肉が弱くなることが誤嚥の原因です。その筋肉を鍛えるために、大きな口を開けて「あ」「い」「う」と発声、最後は「ベーっ」と舌を突き出すようにして、喉周りの筋肉を鍛えます。いわば喉の筋トレです。さすがに人前ではできないので風呂の中で毎晩実行しています。誤嚥性肺炎防止には最適です。最近よくむせるようになった人はぜひ実行してみてください。

④ 顔ヨガ
変顔による顔の筋トレです。院内の勉強会((寺子屋)で教えてもらったのがきっかけで始めました。頬筋を中心に、色々な顔のポーズをとって表情筋を鍛えることで、顔のたるみを抑え、ほうれい線を目立ちにくくする効果があります。
ほぼ毎日続けています。今はマスクで顔を隠しているのでその効果をお見せできないのが残念、いやラッキーです。

⑤ スクワット
老化は足からと言われます。あの三浦雄一郎さんが、いまだに足に重りを付けて歩いているのをみて納得しました。
2日に1度、百回を目標に継続中です。膝をつま先の前に出すと膝を痛めるので注意が必要です。最近、大腿四頭筋が浮き出てきて効果を実感しています。

⑥ ストレッチ
昔、田舎の御馳走はニワトリのすき焼きで、庭に放し飼いをしている鶏をしめてふるまってくれました。
味よりも肉が硬かったことを今でも覚えています。年をとると鶏も人間も筋肉が固くなるのです。
肩回りの筋肉が固くなると、肩が凝り、頭痛が出てきます。ストレッチは凝り固まった筋肉を伸ばしてほぐします。肩周囲筋のストレッチをすることで肩痛や頚部痛が軽減し、大腿筋を前後に伸ばすことで、腰痛や股関節痛が和らぎます。
私はこれを続けることで、前屈で手のひらが床につくようになり正座もできるようになりました。また、肩こりがなくなり、腰痛も緩和しました。

⑦ 体幹トレーニング
体幹とは脊椎周囲の筋肉のことです。これを鍛えることで、体が安定し転倒しにくくなり、腰痛も緩和されます。基本はドローインといって、鼻で息を吸いながらおなかを膨らまし、口でゆっくりと吐きながらおなかをへっこめます。ゆっくりとこれを繰り返すことで体幹が鍛えられます。立腰といって常に腰を立てる姿勢も体幹を鍛えることにつながります。NHKのテキストをみながら取り組んでいます。

⑧ 鍼灸
以前に脊椎分離すべり症で100メートルも歩けなくなり、5分と立てなくなりました。高石先生に診てもらい麻酔科の夜久先生にブロックをしてもらいました。手術は何としても避けたいと、いろいろな治療を試したなかで、効果があったのは鍼灸で、板宿の鍼灸院に頻回に通いました。
そのかいあって腰痛はほぼ直りました。今は家で時々鍼灸をしています。灸は、もぐさで火傷したので、今は「せんねん灸」を使用しています。鍼はYouTubeで見よう見まねで修得し、ツボの本を横目で見ながら、合谷や三里などに「自家鍼灸」をしています。
そのおかげで、腰痛を自覚することもなくなりました。

⑨ 水素ガス吸入
専門家にいわせると病気のほとんどが「活性酸素」が原因です。動脈硬化もがんもリウマチなどの自己免疫疾患も、ヒドロキシラジカルという悪玉活性酸素が下手人です。その中和に一番効果があるのは水素だそうです。
水素発生器をこれまたアマゾンで購入し、毎日浴びるように吸入しています。水素と温熱療法と少量の抗がん剤の組み合わせが、がん治療にかなり有効で、当院でもそのような統合医療を検討しています。
吸入器はピンキリで多少値が張ります。最近出品されるようになったH2メディカルパワーという機械が18万円程度で家庭用には適しているのではと思っています。私はその機械で、寝る時も吸っています。

⑩ ファスティング
断食のことです。約半日、厳密には16時間食事の間隔を空けるプチ断食を実行しています。断食するとオートファジー効果で古い蛋白が除去され、長寿遺伝子が活性化されます。
継続すること4か月。体重は4キロ減り、ウエストは6センチ細くなり、2サイズ小さくなったので、だぶだぶの衣服は処分しました。今は体脂肪率17%、BMI22で顔以外は若い時の体形に戻ったとほくそ笑んでいます。朝抜きで多少空腹を覚えることはありますが「空腹感は幸福感」と念じて続行しています。

⑪ 食事
内容の基本は「まごわやさしいよ」です。まめ、ごま、わかめ(海藻)、やさい、さかな、しいたけ(キノコ)、いも(根菜)、ヨーグルト(発酵食品)です。過食をせず、胃腸を休ませることが大切です。そして白物(砂糖、塩、白米)は控えることです。特に砂糖は麻薬のようなもので、職員にも中毒患者はたくさんいます。小腹がすいたときは、ナッツをかじることで砂糖断ちをすることができます。

以上が私の実践している「超健康法」です。少しでも皆さんの健康維持と健康増進のお役に立てば幸いです。

一生は重荷を負うて、遠き道を行くがごとし

徳川家康の有名な言葉です。幼少期から今川家へ人質として差し出され、信長、秀吉に忍耐強く仕えた苦労人家康ならではの万感の思いがこもっています。

この言葉は、今の日本の状況を言い得ていると思います。日本は、少子高齢化そして人口減少が世界に類をみないほどの速さで進んでいます。信長が没した本能寺の変は1588年。当時は人生50年でした。約400年経った昭和30年代、平均寿命は15歳伸び65歳になりました。そして、今の平均寿命はほぼ85歳。わずか60年で寿命は20歳伸び、驚くべきスピードで高齢化社会に突入したのです。高齢者には医療費用も介護費用もかかります。度重なる医療関係法規や診療報酬の改定も、ほとんどが高齢化社会への対策です。病院の類型化、在宅医療の推進、地域包括ケアなど、あの手この手を打ち出し、少子高齢化と人口減への対応策を講じてきたわけです。

それだけでも大変な時期に、今回の新型コロナウイルス感染の拡大です。そのうちに収まるであろうという希望的観測は見事に裏切られました。3波でもうそろそろ下火になるかと思っていたところ、変異種の猛威にさらされることになりました。変異種は新・新型コロナウイルスといってもいいくらい、強力なウイルスです。明らかに、従来型にくらべ感染率も重症化率も高くなっています。それでもワクチンの有効性は、イギリス、イスラエル、アメリカで確認されており、ワクチン接種への期待が高まっていますが、肝心のワクチンが日本への入荷が少なく、4月22日時点での接種率は1.32%で、アフリカの0.88%と並ぶくらいです。ワクチンが作れる国は、日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・スイスの6か国でしたが、新型コロナでは日本は完全に後塵を拝し、新規参入のロシア・中国・インドにも置いてきぼりにされてしまったのです。日本の国力の低下を目の当たりにしてしまったわけで、残念ですが真摯に受け止めるしかありません。

これから私たちは、当面新型コロナウイルスという「重荷を背負い」ながら、少子高齢化人口減という「遠い道のり」を歩まねばなりません。

「不自由を常と思えば不足なし」という名言も家康は残しています。自粛疲れで多くの国民が厭戦気分になっているのはわからなくもないですが、感染すると自分だけではなく、大切な家族や友人まで巻きこむ可能性を考え、今しばらくは「不自由を常と思う」ように努めるしかないと思っています。